概要
CSS の <user-ident>
データ値は、識別子 (identifier) として使われる、ユーザ定義の任意の文字列を意味します。
構文は CSS の識別子に似ていますが、大文字と小文字を区別する点が違います。<user-ident>
は次の文字から成る、文字の並びです:
- アルファベット(A-Z と a-z)
- 数字(0-9)
- ダッシュ ('
-
') - アンダースコア ('
_
') - エスケープ文字 (バックスラッシュ '
\
' を伴う) - Unicode 文字 (バックスラッシュと、それに続く 1 - 6 個の16進値の形式をとる、Unicode コードポイント)
先頭の文字は数字や、ダッシュに数字やダッシュが続くものであってはなりません。<user-ident>
は、<string>
に一致しないように、単一引用符や二重引用符で囲ってはいけません。
このデータ値は大文字と小文字を区別するため、id1
、Id1
、iD1
、ID1
はすべて異なった識別子です。逆に、別のエスケープ方式を使っていますが、 toto\?
と toto\3F
は同じ識別子です。
以下に有効な識別子の例を示します。
nono79 アルファベットと数字の組み合わせ ground-level アルファベットとダッシュの組み合わせ -test ダッシュとそれに続くアルファベット _internal アンダースコアとそれに続くアルファベット \22 toto Unicode 文字とそれに続くアルファベット bili\.bob ピリオドは正しくエスケープされています
無効な識別子です:
34rem 数字で始まってはいけません -12rad ダッシュで始まって数字が続いてはいけません bili.bob アルファベットと数字以外でエスケープせずに使えるのは _ と - だけです --toto 2 つのダッシュで始まってはいけません 'bilibob' <user-ident> ではなく <string> です "bilibob" <user-ident> ではなく <string> です
<user-ident>
データ型は主に、CSS のカウンタ、counter
関数記法や、2 つの関連する CSS プロパティ、counter-reset
や counter-increment
と組み合わせて使われます。
仕様
仕様書 | 策定状況 | コメント |
---|---|---|
CSS Values and Units Level 4 | 不明 | <identifier> から <user-ident> に改称。CSS Level 2 (Revision 1) から重要な変更無し。 初めは CSS Values and Units Level 3 で定義されましたが、Level 4 まで延期されました。 |
CSS Level 2 (Revision 1) <identifier の定義 |
勧告 |
ブラウザ実装状況
機能 | Chrome | Firefox (Gecko) | Internet Explorer | Opera | Safari (WebKit) |
---|---|---|---|---|---|
基本サポート | 2.0 | 1.0 (?) | 8.0 | 9.2 | 3.1 (?) |
機能 | Android | Firefox Mobile (Gecko) | IE Phone | Opera Mobile | Safari Mobile |
---|---|---|---|---|---|
基本サポート | ? | ? | ? | ? | ? |
関連情報
- CSS のデータ型 :
<angle>
,<blend-mode>
,<color>
,<custom-ident>
,<frequency>
,<gradient>
,<image>
,<length>
,<number>
,<percentage>
,<position>
,<ratio>
,<resolution>
,<shape>
,<string>
,<time>
,<timing-function>
,<uri>