Firefox 45 は、米国時間 2016 年 3 月 8 日にリリースされました。このページでは、開発者に影響する Firefox 45 の変更点をまとめています。
ウェブ開発者向けの変更点一覧
開発者ツール
ハイライト:
- ページインスペクターの全文検索機能
- メモリーツールでヒープのスナップショットの差分を表示
- ネットワークモニターで DomContentLoaded および load イベントを表示
- アニメーションインスペクターを改良
Firefox 44 から Firefox 45 の間に解決した開発ツール関連のバグ一覧
HTML
- Content Security Policy を
<meta>
要素で直接設定できるようになりました (バグ 663570)。 <img>
要素、<area>
要素、<a>
要素、<iframe>
要素のreferrer
属性を、referrerpolicy
に改名しました (バグ 1187357)。- ビューポートの変化やリサイズにより、
<img srcset>
のレスポンシブ画像の再選択が発生するようになりました (バグ 1166138)。
CSS
word-spacing
でパーセンテージをサポートしました (バグ 1038663)。- CSS Grids の実装が向上し、実験的な状態ではないと判断しました。これらを Nightly および Developer Edition でデフォルトで有効にしましたが、Beta および Release では無効です (バグ 1000592):
- Gutters (
grid-column-gap
、grid-row-gap
、grid-gap
プロパティ) を実装しました (バグ 1176792)。 - "Implied Minimum Size of Grid Items" (
min-width
やmin-height
の値 auto の特殊な動作) を実装しました (バグ 1176775)。 - グリッドレイアウトで
align-self
およびjustify-self
をサポートしました (バグ 1151213)。 - グリッドレイアウトで
align-content
およびjustify-content
をサポートしました (バグ 1151214)。 - grid-template-columns、grid-template-rows の resolved value の単位がピクセルになりました (バグ 978212)。
- Grid に関連する機能として、
display
: contents を Firefox 37 からサポートしています。
- Gutters (
- CSS Grid 向けの CSS Box Alignment をフルサポートするため、欠落していた以下の値をサポートしました:
start
、end
、self-start
、self-end
、left
、right
、last-baseline
、space-evenly
(バグ 1176782)。現在、CSS Box Alignment は CSS Flexbox および CSS Grid にのみ適用します。 - [css-grid][css-flexbox] <fieldset> のグリッドレイアウトおよびフレキシブルレイアウトを実装しました (バグ 1230207)。
float
およびclear
で、値inline-start
およびinline-end
をサポートしました (バグ 1122918)。Nightly、Aurora (Dev edition)、Firefox OS では、デフォルトで有効です。Release および Beta で有効化するには設定項目layout.css.float-logical-values.enabled
をtrue
に変更してください。text-emphasis
、text-emphasis-style
、text-emphasis-color
、text-emphasis-position
を実装しました。デフォルトは無効です (有効化するにはlayout.css.text-emphasis.enabled
を true に設定します) (バグ 1040668)。- いくつかの
-webkit
接頭辞付きプロパティおよび値を、ウェブ互換性のためにサポートしました。設定項目layout.css.prefixes.webkit
で制御しており、既定値はfalse
です:- ウェブ互換性のため、
-webkit-backface-visibility
、-webkit-perspective
、-webkit-perspective-origin
を追加しました。設定項目layout.css.prefixes.webkit
で制御しており、既定値はfalse
です (バグ 1179444)。
- ウェブ互換性のため、
JavaScript
- ES2015 (ES6) の クラス をデフォルトで有効にしました (バグ 1197932)。
- 式クロージャ が非推奨になり、コンソールに警告を表示するようになりました (バグ 995610)。
String.prototype.replace
は関数のパラメータを実行した後、RegExp の静的プロパティ に値を復元しないようになりました (バグ 1226936)。Math.random()
を XorShift128+ アルゴリズムにアップグレードしました (バグ 322529)。
インターフェイス/API/DOM
DOM & HTML DOM
- 互換性のため、非標準プロパティ
Node.innerText
を実装しました (バグ 264412)。 HTMLImageElement.srcset
がリサイズやビューポートの変化に反応しない問題を修正しました (バグ 1166138)。
WebGL
WebGL2 の実装が進展しました:
- Program や Shader をサポートしました (バグ 1048743)。
- Uniform や Attribute をサポートしました (バグ 1048745)。
- Framebuffer オブジェクトを実装しました (バグ 1048732)。
- Renderbuffer オブジェクトを実装しました (バグ 1048733)。
IndexedDB
変更なし。
Service Worker
Clients.get()
およびFetchEvent.clientId
を実装しました (バグ 1222464)。Clients.openWindow()
を実装しました (バグ 1172870)。Clients.matchAll()
を呼び出す際にパラメーターとして渡すことができる options オブジェクトに、includeUncontrolled
プロパティを含めることが可能になりました。これはBoolean
です。true
を設定するとマッチングにより、カレントの Service Worker と同じオリジンを共有するすべての Service Worker クライアントを返します。それ以外の場合は、カレントの Service Worker によって制御される Service Worker クライアントのみを返します。既定値はfalse
です。
WebRTC
変更なし。
新規 API
変更なし。
その他
- Web Speech Synthesis API を、デスクトップ版 Firefox で実装しました (バグ 1003439)。
Window.onstorage
イベントハンドラを追加しました。- Web Animations API の実験的な実装で、
ComputedTiming
インターフェイスを追加しました (バグ 1108055)。 Document.onselectionchange
イベントハンドラーを追加しました (バグ 1231193)。MediaStream.removeTrack()
を呼び出してメディアストリームからビデオトラックを削除した後に、MediaStream.addTrack()
を使用して別のビデオトラックを追加して、再生することが可能になりました (バグ 1223696)。
MathML
変更なし。
SVG
- Moz2D のバックエンドが cairo であるときに、SVG stroke hit-testing でバグが多い問題を修正しました (バグ 676001)。
- transform / translate の値が大きい要素と対話できない問題を修正しました (バグ 1217012)。
Audio/Video
- Firefox 41 のリグレッションである、継続時間の丸めエラーによりオーディオ再生で途切れが発生する問題を修正しました (バグ 1222866。
HTTP
- ウェブコンテンツにアクセスした際は、
jar:
プロトコルがデフォルトで無効になりました。jar:
プロトコルを有効化したい場合は、設定項目network.jar.block-remote-files
をfalse
に変更してください (バグ 1215235)。
ネットワーク
変更なし。
セキュリティ
- CSP ポリシーディレクティブ
child-src
を実装しました (バグ 1045891)。 - 有効期間が 27 か月を超える EV 証明書は、DV 証明書として判断および取り扱われるようになりました (バグ 1222903)。
アドオン開発者と Mozilla 開発者向けの変更点
インターフェイス
変更なし。
XUL
- タブグループを 削除しました。
JavaScript コードモジュール
変更なし。
XPCOM
変更なし。
検索プラグイン
- Firefox 45 より、ユーザープロファイルの
searchplugins
ディレクトリー内にある検索プラグインは起動時に自動的に読み込みません。代わりにユーザーがインストールしたプラグインの一覧が整備され、リスト内にあるプラグインのみ読み込みます。事実上、新たな検索プラグインをインストールする方法は、Firefox の UX でユーザーがインストールする (例えば OpenSearch による検出) か、アドオンによるインストールに限られます。また新しいプラグインをインストールしたとき、プロファイルのデバッグやクリーニングツールで将来使用するために、プラグインのインストール元に関する付加情報を記録します。
その他
- chrome コンテキストでは、WebIDL コンストラクターを
new
演算子なしで呼び出せます。Firefox 30 より、ウェブコンテンツではそのようなコードでTypeError
が発生します。例えばvar req = XMLHttpRequest();
はvar req = new XMLHttpRequest();
としなければなりません。
関連情報
過去のバージョン
- Firefox 50 for developers
- Firefox 49 for developers
- Firefox 48 for developers
- Firefox 47 for developers
- Firefox 46 for developers
- Firefox 45 for developers
- Firefox 44 for developers
- Firefox 43 for developers
- Firefox 42 for developers
- Firefox 41 for developers
- Firefox 40 for developers
- Firefox 39 for developers
- Firefox 38 for developers
- Firefox 37 for developers
- Firefox 36 for developers
- Firefox 35 for developers
- Firefox 34 for developers
- Firefox 33 for developers
- Firefox 32 for developers
- Firefox 31 for developers
- Firefox 30 for developers
- Firefox 29 for developers
- Firefox 28 for developers
- Firefox 27 for developers
- Firefox 26 for developers
- Firefox 25 for developers
- Firefox 24 for developers
- Firefox 23 for developers
- Firefox 22 for developers
- Firefox 21 for developers
- Firefox 20 for developers