Firefox 48 は、米国時間 2016 年 8 月 2 日にリリースされました。このページでは、開発者に影響する Firefox 48 の変更点をまとめています。
ウェブ開発者向けの変更点一覧
開発者ツール
- コンテンツ内で要素の位置を変更できるようになりました (バグ 1139187)。
- コンソールの出力を消去するための
console.clear()
を実装しました (バグ 659625)。 - Web コンソールに HTTP ログの調査機能 を追加しました (バグ 1211525)。
- Firebug のテーマ を追加しました (バグ 1244054)。
- DOM 調査ツール を追加しました (バグ 1201475)。
- フォントインスペクター を、再びデフォルトで有効にしました (バグ 1280121)。
- CSS プロパティの 補完機能を改良しました (バグ 1168246)。
- Cookie、ローカルストレージ、セッションストレージの項目を、ダブルクリックして編集できます (バグ 1231154、バグ 1231179、バグ 1231155)。
HTML
<details>
および<summary>
要素を、Nightly および Aurora (DevTools) でデフォルトで有効にしました。Beta および Release では無効です:- これらの要素のデフォルトのスタイルが、仕様書に合致するようになりました (バグ 1258657)。
<details>
要素を開いたり閉じたりしたときに、toggle
イベントを送るようになりました (バグ 1225412)。
referrer
属性で、値no-referrer-when-downgrade
およびorigin-when-cross-origin
をサポートしました (バグ 1178337)。
CSS
- 仕様書に準拠するよう、
calc()
を改良しました:line-height
プロパティでcalc()
をサポートしました (バグ 594933)。- CSS
calc()
の入れ子をサポートしました (バグ 968761)。
- CSS Grids の実験的な実装を更新しました:
- Grid レイアウトでフラグメンテーションを実装しました (バグ 1144096)。
- [css-grid] グリッドコンテナーのサイズが不定である場合は、パーセンテージ指定されたトラックのサイズを
auto
として扱うようになりました (バグ 1264607)。 <fieldset>
で grid および flex レイアウトをサポートしました (バグ 1230207)。
mask-mode
で値luminance
をサポートしました。また、仕様書に合わせて値auto
をmatch-source
に改名しました (バグ 1228354)。- CSS Animation および CSS Transition で、clip-path の basic shape の補間処理をサポートしました (バグ 1110460)。
text-combine-upright
プロパティの値all
で縦中横 (horizontal-in-vertical) テキストをサポートしました (バグ 1097499).- 画像や背景の印刷をページから許可できるようにするための
color-adjust
プロパティを実験的にサポートしました (バグ 1209273)。 ::first-letter
疑似要素が、実際の先頭文字の前または直後にあるタイプ Pd の句読点にもマッチするようになりました。これは CSS Pseudo-element module level 4 の新たな要求です (バグ 1260366)。- いくつかの
-webkit
接頭辞付きプロパティおよび値を、web 互換性のためにサポートしました。設定項目layout.css.prefixes.webkit
で制御しており、既定値はfalse
です:-webkit-text-fill-color
(バグ 1247777)-webkit-text-stroke
,-webkit-text-stroke-color
,-webkit-text-stroke-width
(バグ 1248708)-webkit-background-clip
(background-clip として) の値 text (バグ 759568).-webkit-box-direction
,-webkit-box-orient
(バグ 1262049.display
プロパティの値-webkit-inline-box
を、inline-flex
の別名としてサポートしました (バグ 1257661)。-webkit-flex-direction
、-webkit-flex-wrap
、-webkit-flex-flow
、-webkit-order
、-webkit-flex
、-webkit-flex-grow
、-webkit-flex-shrink
、-webkit-flex-basis
、-webkit-justify-content
、-webkit-align-items
、-webkit-align-self
、-webkit-align-content
を接頭辞なしプロパティの別名として、またdisplay
プロパティの値-webkit-flex
および-webkit-inline-flex
を接頭辞なし値の別名として追加しました (バグ 1274096)。-webkit-box-flex
、-webkit-box-ordinal-group
、-webkit-box-align
、-webkit-box-pack
プロパティおよびdisplay
プロパティの値-webkit-box
を、最新の CSS Flexbox の別名として追加しました (バグ 1208635)。
background-clip
の値text
が、(Release 以外のビルドだけでなく) すべてのタイプの Firefox で使用可能になりました (バグ 1263516)。position
プロパティの値absolute
を、最上位レイヤーの要素でサポートしました (バグ 1236828)。- 設定を検出するため、
@supports
の内部利用限定の構文をサポートしました (バグ 1259889)。
JavaScript
新規 API
- ES2015 (ES6) の
Array.prototype.values()
メソッドを実装しました (バグ 875433)。 String.prototype.padStart()
およびString.prototype.padEnd()
メソッドを実装しました (バグ 1260509)。- ES2015 (ES6) の
Symbol.unscopables
およびArray.prototype[@@unscopables]
プロパティを実装しました (バグ 1054759 および バグ 1258163)。 - ES2015 (ES6) の
Symbol.isConcatSpreadable
シンボルを実装しました (バグ 1041586)。 - ES2015 (ES6) の
Array[@@species]
getter を実装しました (バグ 1165052)。 - ES2015 (ES6) の
ArrayBuffer[@@species]
getter および%TypedArray%[@@species]
getter を実装しました (バグ 1165053)。 - ECMAScript Internationalization API 草案の
Intl.getCanonicalLocales()
メソッドを実装しました (バグ 1263040)。
非推奨化および削除
- 非推奨の 古い Proxy API (
Proxy.create
およびProxy.createFunction()
) を廃止しました。代わりに標準のProxy
オブジェクトを使用してください (バグ 892903)。 String.prototype.contains()
メソッドを削除しました (バージョン 40 より非推奨でした)。代わりにString.prototype.includes()
メソッドを使用してください (バグ 1103588)。- 非標準の
RegExp.multiline
プロパティ (RegExp.prototype.multiline
ではありません) を削除しました。代わりに標準の m フラグ を使用してください (バグ 1219757)。 __defineGetter__
および__defineSetter__
メソッドは、オブジェクトを伴わないグローバルスコープでは呼び出すことができなくなりました (バグ 1253016)。
インターフェイス/API/DOM
DOM & HTML DOM
CSSKeyframeRule
およびCSSKeyframesRule
インターフェイスから "Moz" 接頭辞を削除しました (バグ 1256178)。NavigatorConcurrentHardware
mixin を実装しました。これは、Navigator
インターフェイスにwindow.navigator.hardwareConcurrency
プロパティを追加します。このプロパティにより、Worker
を実行できるプロセッシングコアがいくつあるか (少なくとも概算値) をウェブサイトやアプリが取得できます (バグ 1008453)。- Firefox 10 で削除した
Node.isSameNode()
メソッドを再追加しました。仕様書に長く存在していませんでしたが、再び追加されました (バグ 1256299)。 Navigator.registerProtocolHandler()
を呼び出す際に誤りがあった場合に、Firefox が数値ではなく適切な例外を返すようになりました。Element.animate()
をデフォルトで有効にしました (バグ 1245000)。Element.insertAdjacentText()
およびElement.insertAdjacentElement()
メソッドを実装しました (バグ 811259)。Document.scrollingElement
をデフォルトで有効にしました (バグ 1265032)。Node.localName
、Node.namespaceURI
、Node.prefix
をElement
およびAttr
API に移動しました (バグ 1055776)。- 最新の仕様書に従って、以下のキーについて
KeyboardEvent.code
が返す値を変更しました (バグ 1264150 を参照):"OSLeft"
および"OSRight"
が"MetaLeft"
および"MetaRight"
になりました。"VolumeDown"
、"VolumeUp"
、"VolumeMute"
が"AudioVolumeDown"
、"AudioVolumeUp"
、"AudoVolumeMute"
になりました。"IntlHash"
を削除しました。- 以前のバージョンの Firefox で
code
の値が "" になっていたすべてのキーが、"Unidentified" を知らせるようになりました。
Canvas 2D
CanvasRenderingContext2D.ellipse()
メソッドを実装しました (バグ 910138)。
WebGL
変更なし。
IndexedDB
変更なし。
Service Worker
変更なし。
WebRTC
MediaStream.clone()
およびMediaStreamTrack.clone()
メソッドを実装しました (バグ 1208371)。RTCOfferOptions
で、ICE の再開や更新を可能にするiceRestart
をサポートしました (バグ 906986)。
新規 API
変更なし。
その他
- Web Crypto API が Web workers で使用可能になりました (バグ 842818)。
CustomEvent
インターフェイスが Web Workers で使用可能になりました (バグ 1003432)。DOMApplicationsManager.getNotInstalled()
メソッドを削除しました (バグ 1255036)。- 誤ってウェブに公開されていた Firefox OS の API を、本来すべきであったとおりに隠蔽しました。対象は
mozContact
、MozContactChangeEvent
、navigator.mozContacts
、MozPowerManager
、MozSettingsEvent
です (バグ 1043562、バグ 1256414、バグ 1256046)。 TextEncoder
で UTF-16 のサポートを廃止しました (バグ 1257877)。RTCStatsReport
が真にmaplike
なインターフェイスになりました。forEach()
、get()
、has()
に加えて、entries()
、values()
、keys()
メソッド、およびsize
ゲッターを実装しました (バグ 906986)。- キャッシュの動作 を制御できるようにするため、
Request.cache
プロパティを追加しました (バグ 1120715)。 - Mac OS X におけるデッドキーの扱いを、他のプラットフォームと同じ動作に変更しました。テキストが生成されなかったとき (フォーカスがある要素が編集可能ではないなど) に
keypress
イベントは発生しません。また他のプラットフォームと同様に、ほかの状況でテキストを生成しないデッドキー押下について、KeyboardEvent.key
の値が"Dead"
になりました。
MathML
変更なし。
SVG
変更なし。
Audio/Video
変更なし。
HTTP
- クライアントからサーバーへの設定を示す
upgrade-insecure-requests
ヘッダーをサポートしました (バグ 1243586)。
ネットワーク
変更なし。
セキュリティ
変更なし。
アドオン開発者と Mozilla 開発者向けの変更点
インターフェイス
変更なし。
XUL
変更なし。
JavaScript コードモジュール
変更なし。
XPCOM
変更なし。
その他
- Social Worker API を削除しました。
関連情報
過去のバージョン
- Firefox 50 for developers
- Firefox 49 for developers
- Firefox 48 for developers
- Firefox 47 for developers
- Firefox 46 for developers
- Firefox 45 for developers
- Firefox 44 for developers
- Firefox 43 for developers
- Firefox 42 for developers
- Firefox 41 for developers
- Firefox 40 for developers
- Firefox 39 for developers
- Firefox 38 for developers
- Firefox 37 for developers
- Firefox 36 for developers
- Firefox 35 for developers
- Firefox 34 for developers
- Firefox 33 for developers
- Firefox 32 for developers
- Firefox 31 for developers
- Firefox 30 for developers
- Firefox 29 for developers
- Firefox 28 for developers
- Firefox 27 for developers
- Firefox 26 for developers
- Firefox 25 for developers
- Firefox 24 for developers
- Firefox 23 for developers
- Firefox 22 for developers
- Firefox 21 for developers
- Firefox 20 for developers