このガイドでは、Thunderbird で実行しているコードの調査やデバッグをリモートデバッグする方法を説明します。
Firefox のリモート接続機能を使用して、さまざまな開発ツールが Thunderbird をサポートします。現在サポートしているツールセットは Web コンソール、インスペクタ、デバッガ、スタイルエディタ、プロファイラ、ネットワークモニタです。他のツールは、将来利用可能になる予定です。
Thunderbird の設定
Thunderbird では、デバッガサーバを有効にすることが必要です。"ツール
" メニューを開いて "リモートデバッグを許可
" を選択してください。デフォルトでは、デバッガサーバがポート 6000 番を使用して開始します。複数のプロファイルをデバッグするなど、デバッガサーバのポート番号を変更したい場合は、高度な設定のエディタを開いて設定項目 devtools.debugger.remote-port
を変更してください。
Firefox の設定
Firefox はクライアントとして動作して、Thunderbird 用の開発ツールを操作するユーザインターフェイスを提供します。Firefox と Thunderbird のメジャーバージョン番号を合わせるともっともよいのですが、異なるバージョンでも動作する場合があります。
Firefox の設定として、ツールボックスのオプションでリモートデバッグを有効にします。ツールボックスを開いてツールバーの "オプション" ボタンをクリックします。そして、オプションタブで "リモートデバッガを有効" にチェックを入れてください:
以上で、Firefox のツールメニューから接続ページを開くことができます:
ブラウザで接続ページが開きます。必要に応じてこのページをブックマークツールバーに追加できます。リモートポート番号を変更していなければ、フィールドにはすでに適切な値が入っています。接続ボタンをクリックすると、開発ツールのリモート接続を開始します。
接続すると、リモートのタブやプロセスの一覧が提示されます。Thunderbird と Firefox ではタブの概念が異なっており、リモートのタブの一覧に Thunderbird のすべての xul:browser 要素を表示します。これはコンテンツタブまたはメッセージリーダーになります。ほとんどの場合、Thunderbird 自体のコードをデバッグするために "メインプロセス" を選択するでしょう。開発ツールのセットを含む新しいウィンドウが開いて、Thunderbird のインスタンスに対して使用できます。
開発ツールを使用する
ツールの使用方法は、ほぼ一目瞭然でしょう。なんらかのツールで問題が発生した場合は、開発ツールのドキュメントをご覧ください。リモート接続を使用するため、若干の差異が発生する可能性があります。一部のツールは使用できず、またローカルと同等のパフォーマンスを実現できない可能性もあります。例えばリモートデバッガツールを使用すると、内部のネットワーク接続を使用してファイルを転送しなければならないため、かなり時間がかかります。
トラブルシューティング
エラーが発生した場合は、まずはバージョン番号が一致しているかを確認してください。Thunderbird 24 を使用している場合は、Firefox もバージョン 24 を使用して接続してください。次に、Firefox の開発ツールの問題であるか、あるいは Thunderbird のリモート接続機能の問題であるかを明らかにすることが重要です。これを確認するには、Firefox だけを使用して問題が再現するかを試してください。例えばインスペクタツールで属性の値を設定できない場合は、Firefox のブラウザデバッガで属性の値を変更してみてください。ブラウザデバッガで再現しない場合は、Thunderbird のバグとして報告してください。再現する場合は、Firefox/開発ツールのバグとして報告してください。