Object.is()
メソッドは 2 つの値の同一性を判定します。
構文
Object.is(value1, value2)
引数
value1
- 比較する 1 つ目の値。
value2
- 比較する 2 つ目の値。
戻り値
2 つの値が同一かどうかを表す Boolean
型の値。
説明
Object.is()
は 2 つの値が同一かどうかを判定します。2 つの値は以下の規則の一つに当てはまる場合同一となります :
このメソッドは等値演算子 (==
) による等値比較とおなじものではありません。等値演算子 (==
) は等値性比較の前に(同じ型でなければ)両辺に対して様々な型強制を適用します(結果、例えば "" == false
は true
に評価されます)が、Object.is
は両辺どちらの値にも型強制を行いません。
また同値演算子 (===
) による等値比較とも同じものではありません。同値演算子 (===
)(そして等値演算子 (==
) も)数値 -0
と +0
は同じものとして扱い、 Number.NaN
と NaN
は別物として扱います。
使用例
Object.is('foo', 'foo'); // true Object.is(window, window); // true Object.is('foo', 'bar'); // false Object.is([], []); // false var test = { a: 1 }; Object.is(test, test); // true Object.is(null, null); // true // 特殊なケース Object.is(0, -0); // false Object.is(-0, -0); // true Object.is(NaN, 0/0); // true
ES6 非対応ブラウザ用のポリフィル
Object.is()
は ECMA-262 標準に追加予定の機能です。そのためすべてのブラウザには搭載されていないかもしれません。スクリプトの最初に以下のコードを追加すればこの問題に対処できます。このコードにより Object.is()
が標準搭載されていない場合でも利用できます。
if (!Object.is) { Object.is = function(x, y) { // 仕様書の SameValue アルゴリズムにしたがう if (x === y) { // ステップ 1 から 5、および 7 から 10 // ステップ 6.b から 6.e までの場合: +0 != -0 return x !== 0 || 1 / x === 1 / y; } else { // ステップ 6.a の場合: NaN == NaN return x !== x && y !== y; } }; }
仕様
仕様 | 策定状況 | コメント |
---|---|---|
ECMAScript 2015 (6th Edition, ECMA-262) Object.is の定義 |
標準 | 初期定義。 |
ECMAScript 2017 Draft (ECMA-262) Object.is の定義 |
ドラフト |
ブラウザ実装状況
機能 | Chrome | Firefox (Gecko) | Internet Explorer | Opera | Safari |
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基本サポート | 30 | 22 (22) | 未サポート | (有) | 9 |
機能 | Android | Chrome for Android | Firefox Mobile (Gecko) | IE Mobile | Opera Mobile | Safari Mobile |
---|---|---|---|---|---|---|
基本サポート | 未サポート | ? | 22.0 (22) | 未サポート | 未サポート | 9 |
関連情報
- 等値比較と同一性 — 標準搭載されている 3 つの同一性比較支援機能の比較