概要
オフセットテキスト(或いはイタリック)要素(<i>
)は、技術用語、外国語のフレーズ、または架空の人物の思考など、何らかの理由で他のテキストと離して配置して区別されるテキストの範囲を表します。英文においては通常斜体で表示される事の多い部分であり、殆どの場合、ブラウザはこの要素に対しイタリック体のデフォルトスタイルを指定しています。
コンテンツカテゴリ | フローコンテンツ、フレージングコンテンツ、パルパブルコンテンツ |
---|---|
許可された内容 | フレージングコンテンツ |
タグの省略 | 不可。開始と終了タグの両方が必要。 |
許可された親要素 | フレージングコンテンツを受け入れるすべての要素 |
DOM インターフェイス | HTMLElement 。Gecko 1.9.2 (Firefox 4) 以前では、この要素には HTMLSpanElement インターフェイスが実装されています。 |
属性
この要素は全ての要素で共通のグローバル属性のみを持ちます。
例
<p>The Latin phrase <i>Veni, vidi, vici</i> is often mentioned in music, art, and literature</p>
表示結果
The Latin phrase Veni, vidi, vici is often mentioned in music, art, and literature
【訳注: 日本語に於ける表記に関して: 日本語の文書ではこの様な範囲に対して斜体ではなく、例えばそこだけフォントを明朝体にするなど、別のスタイルを指定する事が多く、また斜体を持たない日本語フォント(Windows に搭載されている「メイリオ」など)も存在します。斜体以外での表現方法も視野に入れるべきでしょう。】
注意
以前のバージョンの HTML 仕様では、<i>
タグはテキストを斜体表示するために使用する、単なる表現用の要素でした。これは <b>
タグがテキストの太字表示に使用されたことと同様です。現在はこれらのタグに印字表現ではない意味が定義されているため、それはもはや正しくありません。<i>
タグは一般的な印字表現が斜体である、異なるセマンティクスを持つテキストの範囲を表すべきです。これは、ブラウザは一般的にコンテンツを斜体で表示するでしょうが、その定義では要求されていないということです。
より適切なセマンティクスを持つ要素が無い場合のみこの要素を使用するべきです。例えば以下の様な要素の方が適切でないか検討するとよいでしょう。
- 強調を表す
<em>
要素 - 重要性を表す
<strong>
要素 - 関連性を表す
<mark>
要素 - 書籍、演劇、音楽などの作品名を表す
<cite>
要素 - 用語の定義のインスタンスを印す
<dfn>
要素
より適合するセマンティクスを持つ要素が仕様に追加されるなどした際に要素を変更する事を見越して、その用途を意味する class 属性を要素に指定し、そのクラスを対象としてスタイルを適用するようにしておくのもいいアイデアでしょう。
仕様
仕様書 | 策定状況 | コメント |
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WHATWG HTML Living Standard <i> の定義 |
現行の標準 | |
HTML5 <i> の定義 |
勧告 | |
HTML 4.01 Specification <b> の定義 |
勧告 |
ブラウザ実装状況
機能 | Chrome | Firefox (Gecko) | Internet Explorer | Opera | Safari (WebKit) |
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基本サポート | 1.0 | (有) | (有) | (有) | (有) |
機能 | Android | Firefox Mobile (Gecko) | IE Phone | Opera Mobile | Safari Mobile |
---|---|---|---|---|---|
基本サポート | (有) | (有) | (有) | (有) | (有) |