これは、Firefox 1.5 (Gecko 1.8) での XUL の変更点のうち、最も注目するべきものの一覧です。 これ以外の、気をつけておくべき変更点については、Adapting XUL Applications for Firefox 1.5 を参照してください。
<scrollcorner>
<scrollcorner> 要素が新規に追加されました。 これは、水平と垂直のスクロールバーが接する場所に、小さなボックスを作成するために使用します。
<richlistbox>
と <richlistitem>
<richlistbox> と <richlistitem> 要素は、自由なコンテントを含んだリストを作成するために使用します。 これは <listbox> と類似の動作をしますが、<listbox> は主としてテキスト系の項目をリストするために設計されています。 <richlistbox> は、<listbox> と同じ API を多数サポートし、 <richlistitem> で作成される項目について単一選択を行うことが可能です。 詳細な情報は、XUL:Richlistbox を参照してください。
【訳注: これはダウンロードやテーマ、拡張機能マネージャのダイアログのリスト部分で利用されているウィジェットのようです】
設定システム
いくつかの要素が、設定 (preference)ウィンドウを作成するために追加されました。 これらのウィンドウは、特殊な種類のダイアログで、いくつかのパネルがサポートされます。 それらは同一のファイルに含めても別のファイルに分けても構いません。 一連のアイコンがダイアログの上部に並び、利用者がパネルを切り替えるために利用されます。 新規の設定関連の要素と、既存の要素に設定するいくつかの付加的な属性を利用すれば、 プログラムコードを使用することなく簡単に設定画面の作成を行うことが可能です。 詳細な情報は、「設定システム」を参照してください。
bfcache
Mozilla では、このバージョンからページの DOM をキャッシュするようになりました。
このため「戻る」「進む」の操作では、ページのリロードが発生しなくなり、操作がさらに効率的になりました。
また、ページを切り替えた場合には pageshow
と pagehide
イベントが利用され、
load
と unload
イベントは、ページのロードとアンロードが発生した場合のみ使用されるようになりました。
詳細は、Using Firefox 1.5 caching を参照してください。
tabIndex
tabIndex
プロパティは、このバージョンからほとんどの要素に適用されています。
<radiogroup>
<radiogroup> 要素の value プロパティを利用して、グループの中でその値に対応する <radio> 要素を選択可能になりました。
ダイアログ: defaultButton
プロパティ
<dialog>
のバインディングでは、このバージョンから defaultButton
をサポートします。
このプロパティを設定することで、ダイアログのデフォルトボタンを変更することが可能です。
ここには、<dialog>
バインディングが提供するボタンの 1 つを (その名前を使用して) 指定するか、またはデフォルトのボタンを設定しない場合には none
を指定するようにします。
ボタン: icon
プロパティ
いくつかのプラットフォームでは、ボタンの icon プロパティを使用して、ボタンに貼り付けるアイコンを指定できます。 例えば、<button icon="help"> は、ヘルプアイコン付きのボタンを生成します。 これは、典型的な GNOME のシステムで利用されており、以下の値が指定可能です。
accept
, cancel
, help
, open
, save
, find
, clear
, yes
, no
, apply
, close
, print
, add
, remove
, refresh
, go-forward
, go-back
, properties
, select-font
, select-color
, network
<menulist>
<menulist> の項目に対して description 属性を設定することで、項目のラベルの横に追加の説明用のテキストを表示させることが可能になりました。 また、menulist を変更するための appendItem と insertItemAt メソッドでは、この方法を利用する項目を作成するために追加の説明用の引数を取るようになりました。
<listbox>
removeItemAt
メソッドは、バグ (バグ 236068) によって、最初の項目を指すインデックスが 0 にならない場合がありました。
このバグは、Firefox 1.5 で解消されたため、このバグを回避するために起点は 0 でないものとして記述された全てのコードは変更する必要があります。
<stringbundle>
<stringbundle> 要素に strings プロパティが追加され、これを利用してバンドルにある全ての文字列の列挙 (enumeration) を取得できるようになりました。
ドラッグ可能なタブ
tabbrowser は、このバージョンから利用者がタブをドラッグすることで並べ替えることができるようになりました。
<tabbox>
<tabbox> 要素は、このバージョンから selectedIndex
属性がサポートされ、これを利用することでデフォルトで選択されるタブの指定が可能になりました。
オーバーレイを動的に読み込む
XUL では、このバージョンから、document.loadOverlay
関数による オーバーレイの動的な読み込みがサポートされています。
原文書情報
- 著者: Neil Deakin