<math>
要素は、 MathML におけるトップレベル要素です。全ての有効な MathML インスタンスは <math>
タグに囲まれています。 加えて、<math>
要素を入れ子状に配置してはなりませんが、許可された要素に関しては、いくつでも子要素として配置する事が可能です。
属性
<math>
要素は次に示す属性に加え、<mstyle>
要素のすべての属性を受け入れます。
- class, id, style
- スタイルシートと一緒に用いて提供されます。
- dir
- 数式全体の書字方向。値として
ltr
(左から右へ)とrtl
(右から左へ) が指定可能です。 - href
- 指定された URI へのハイパーリンクの設定に使用されます。
- mathbackground
- 背景色。
#rgb
、#rrggbb
およびHTML色名を使用できます。 - mathcolor
- 文字色。
#rgb
、#rrggbb
およびHTML色名を使用できます。 - display
- この列挙属性は、囲まれた MathM Lマークアップをレンダリングする方法を指定します。これは、次のいずれかの値を持つことができます。
block
。テキストの意味を変えることなく任意の場所に配置できるブロックとして、この要素がテキストの現在のスパンの外側に表示されることを意味します。inline
。この要素がテキストの現在のスパンの内側に表示され、そのテキストの意味を変えることなくそのスパンの外に移動できないことを意味します。
存在しない場合、デフォルトの値は
inline
です。 - mode
- display 属性を選択して推奨されません。
可能な値は次のとおり:display
(これはdisplay="block"
と同じ効果を持ちます)およびinline
。 - overflow
- 許可された幅に収まらないほど長い場合に、式がどのように動作するかを指定します。
可能な値は次のとおり:linebreak
(デフォルト)、scroll
、elide
、truncate
、scale
。
例
HTML5 表記
<!DOCTYPE html> <html> <head> <title>MathML in HTML5</title> </head> <body> <math> <mrow> <mrow> <msup> <mi>a</mi> <mn>2</mn> </msup> <mo>+</mo> <msup> <mi>b</mi> <mn>2</mn> </msup> </mrow> <mo>=</mo> <msup> <mi>c</mi> <mn>2</mn> </msup> </mrow> </math> </body> </html>
XHTML 表記
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.1 plus MathML 2.0//EN" "https://www.w3.org/Math/DTD/mathml2/xhtml-math11-f.dtd"> <html xmlns="https://www.w3.org/1999/xhtml"> <head> <title>MathML in XHTML</title> </head> <body> <math xmlns="https://www.w3.org/1998/Math/MathML"> <mrow> <mrow> <msup> <mi>a</mi> <mn>2</mn> </msup> <mo>+</mo> <msup> <mi>b</mi> <mn>2</mn> </msup> </mrow> <mo>=</mo> <msup> <mi>c</mi> <mn>2</mn> </msup> </mrow> </math> </body> </html>
注: MathML をもつ XHTML 文書は、application/xhtml+xml
として配信されなければなりません。これは、ローカルファイルに .xhtml
拡張子を追加することで、簡単に達成できます。Apacheサーバの場合、正しい MIME タイプに拡張子を対応付けるために .htaccess
ファイルを設定することができます。XML 文書で MathML を表記するので、整形式の XML 文書を必ず記述してください。
仕様
仕様 | 状態 | コメント |
---|---|---|
MathML 3.0 The Top-Level math Element の定義 |
勧告 | 現在の仕様 |
MathML 2.0 The Top-Level math Element の定義 |
勧告 | 初期の仕様 |
ブラウザー互換性
機能 | Chrome | Firefox (Gecko) | Internet Explorer | Opera | Safari |
---|---|---|---|---|---|
XHTML 表記 | 未サポート | 1.0 (1.7 or earlier) | 未サポート | 9.5 | 5.1 |
HTML5 表記 | 未サポート | 4.0 (2.0) | 未サポート | 未サポート | 5.1 |
dir |
未サポート | 12.0 (12.0) | 未サポート | 未サポート | 未サポート |
href |
未サポート | 7.0 (7.0) | 未サポート | 未サポート | 未サポート [1] |
mathbackground |
未サポート | 4.0 (2.0) | 未サポート | 未サポート | 5.1 |
mathcolor |
未サポート | 4.0 (2.0) | 未サポート | 未サポート | 5.1 |
overflow |
未サポート | 未サポート | 未サポート | 未サポート | 未サポート |
機能 | Android | Chrome for Android | Firefox Mobile (Gecko) | IE Mobile | Opera Mobile | Safari Mobile |
---|---|---|---|---|---|---|
XHTML 表記 | 未サポート | 未サポート | 1.0 (1.0) | 未サポート | 未サポート | 未サポート |
HTML5 表記 | 未サポート | 未サポート | 4.0 (2.0) | 未サポート | 未サポート | 未サポート |
dir |
未サポート | 未サポート | 12.0 (12.0) | 未サポート | 未サポート | 未サポート |
href |
未サポート | 未サポート | 7.0 (7.0) | 未サポート | 未サポート | 未サポート [1] |
mathbackground |
未サポート | 未サポート | 4.0 (2.0) | 未サポート | 未サポート | 未サポート |
mathcolor |
未サポート | 未サポート | 4.0 (2.0) | 未サポート | 未サポート | 未サポート |
overflow |
未サポート | 未サポート | 未サポート | 未サポート | 未サポート | 未サポート |
[1] bug 85733 も参照のこと。
Gecko 固有の注記
Gecko7.0 (Firefox 7.0 / Thunderbird 7.0 / SeaMonkey 2.4) は、トップレベル math 要素(すなわち <mstyle>
要素と同じ動作)のすべての MathML 属性へのサポートを導入しました。しかし、displaystyle
属性が考慮されず、Gecko 8.0 で追加されました。
テキストのフォールバック(alttext
)または属性 altimg
、altimg-width
、altimg-height
もしくは altimg-valign
を使用する代替画像の参照は、現在の Gecko に実装されていません。