WOFF (Web Open Font Format) は、Mozilla が Type Supply や LettError、他の組織と提携して開発した新しい Web フォント形式です。これは、TrueType および OpenType, Open Font Format に使用されているテーブルベースの sfnt
構造と同じ圧縮されたバージョンを使用しています。WOFF には、これにメタデータと個人利用のためのデータ構造が追加されており、作成者とベンダーがライセンス情報を書き込むことができる予約フィールドも含まれています。
WOFF の使用には 3 つの利点があります:
- フォントデータが圧縮されているため、サイトで WOFF を使用すると、無圧縮の TrueType や OpenType ファイルの使用と比べて帯域を抑えることができ、読み込み時間も短縮されます。
- 自社の TrueType や OpenType 形式のフォントが Web 上で使用されること許可したくない多くのフォントベンダーは、WOFF 形式のフォントなら使用を許可できるでしょう。これは、サイトのデザイナーに対してフォントの可用性を高めることになります。
- プロプライエタリなブラウザベンダーもフリーソフトウェアのブラウザベンダーも、WOFF 形式を好んでいます。つまり、他の既存のフォント形式と異なり、WOFF 形式のフォントが、Web のための真にユニバーサルで相互運用が可能なフォント形式になる可能性があります。
WOFF と WOFF2 という、2 つのバージョンの WOFF があります。これらの主な違いは、使用する圧縮アルゴリズムです。@font-face
では format
記述子で、それぞれ 'woff'
と 'woff2'
で識別されます。
WOFF の使用
Web コンテンツのテキストに WOFF フォントを使用するには、@font-face
CSS プロパティを使用します。これは、OpenType や TrueType 形式のフォントの使用方法と同じです。WOFF 形式のフォントは圧縮されているため、より効率的にコンテンツがダウンロードされるでしょう。
WOFF フォントを扱うためのツール
- WOFF フォントを扱うためのツールを利用できます。
sfnt2woff
およびwoff2sfnt
は、WOFF と OpenType の間の変換を行います。
仕様
仕様書 | 策定状況 | コメント |
---|---|---|
WOFF File Format 2.0 | 勧告候補 | 新しい圧縮アルゴリズム |
WOFF File Format 1.0 | 勧告 | 最初期の仕様 |
ブラウザ実装状況
機能 | Chrome | Firefox (Gecko) | Internet Explorer | Opera | Safari |
---|---|---|---|---|---|
基本サポート | 6.0 | 3.5 (1.9.1) | 9.0 | 11.10 | 5.1 |
WOFF2 | 36 | 39 (39)[1] | 未サポート | 24 | 未サポート |
機能 | Android | Chrome for Android | Firefox Mobile (Gecko) | IE Mobile | Opera Mobile | Safari Mobile |
---|---|---|---|---|---|---|
基本サポート | ? | (有) | 1.0 (1.9.1) | ? | ? | ? |
WOFF2 | 未サポート | 38 | 39.0 (39)[1] | 未サポート | ? | 未サポート |
[1] Gecko 35 から Gecko 38 までの WOFF2 サポートは、Aurora および Nightly 版のみで、デフォルトで有効にしていました。Beta および Release 版で使用するには、設定項目 gfx.downloadable_fonts.woff2.enabled を true に変更しなければなりません。