font-language-override

概要

CSS の font-language-override プロパティは、タイプフェイスの言語固有グリフの使用方法を制御します。

デフォルトで、ブラウザは要素内のテキストの言語を特定するために HTML の lang グローバル属性を使用します。この情報によって、ブラウザはその言語向けにデザインされた固有のグリフを使用します。例えば、多くのフォントは二重字 fi の特別な文字を持っており、i のドットを前の文字にくっつけています。チュルク語族では i がドットありとドットなしの 2 種類 (i と ı) あるため、表示する際はこの合字を使用するべきではありません。合字を使用するとドットありの i がドットなしの i に変わります。

この言語情報を上書きしたいと作者が望む場合があります。例えば、ドットなしの i を持つトルコ語のようなアゼルバイジャン言語をタイプフェイスが把握していない場合です。このようなときに font-language-override で、デフォルトのグリフより適しているトルコ語のグリフを強制的に使用させることができます。

構文

font-language-override: normal
font-language-override: "TRK"

/* グローバル値 */
font-language-override: initial
font-language-override: inherit
font-language-override: unset

値

normal

このキーワードはブラウザに、フォントで対象言語向けに定義されたグリフを使用させます。

<string>

このキーワードはブラウザに、文字列で定義された言語を使用させます。値は OpenType language system の文字列です。

形式文法

normal | <string>

例

HTML

<p class="para1"> Default language setting.</p>
<p class="para2">This is a string with the <code>font-language-override</code> set to Danish</p>

CSS

p.para1 {
    font-language-override: none;
}
p.para2 {
    font-language-override: "DAN";
}

結果

仕様

ブラウザ実装状況

[1] Gecko 24 より、接頭辞なしの実験的な実装が使用可能でした。これは設定項目 layout.css.font-features.enabled で制御されており、Nightly および Aurora に限り既定値が true です。

関連情報

• font-variant, font-variant-position, font-variant-east-asian, font-variant-caps, font-variant-ligatures, font-variant-numeric, font-variant-alternates, font-synthesis, font-kerning