どのような用途で使用するかによって、Firefox OS もしくは Gaia ユーザインタフェースを実験する際に、よく考慮すべきオプションがあります。選択可能なのは以下のオプションですが、どれにも考えるべきメリットとデメリットがあり、他のものよりもフレキシブルに利用できるものもあります。
デスクトップで B2G を実行する
Firefox OS シミュレータをビルドして、その上で Gaia を実行することが可能です。このソフトウェアは Firefox をベースにしていますが、端末上の Firefox OS エクスペリエンスと非常に良く似た振る舞いをします。現在 Mozilla は開発者向けに、このアプリケーションのナイトリービルドを提供しています。Firefox コードベースや C++ プロジェクトのビルドに精通している場合は、このアプリケーションをこれらの説明に従って自分でビルドすることができます。
長所
- モバイルサイズのビューポートを利用できます
- あらゆる点で実際のモバイル端末に似たエクスペリエンスです
- (全てではありませんが)より多くの端末 API が利用できます
短所
- C/C++ ビルド環境を実際にインストールする必要があります
- Gecko とシミュレータを自分でビルドする必要があります
- Firefox 開発者ツールは利用できません
B2G シミュレータで実行する理由
これは、程よくバランスのとれたテスト及び開発のソリューションです。何かテストしたいと思った時に、毎回実際にスマートフォンのフラッシュメモリに書き込まなくても、端末に似た環境で、あなたのアプリやその他のコードがどんな感じなのか、確認するのに便利です。
シミュレータの種類
いくつかの種類の Firefox OS シミュレータ を使用できます。
- Firefox OS シミュレータ アドオン
- この拡張機能は、Firefox OS 上で動作するテストアプリケーションのための主要なツールであり、ほとんどのユーザに推奨される解決法です。これには開発者ツールが含まれており、テスト環境にアプリケーションを追加することもサポートされます。
- 開発者向けデスクトップビルド
- これらはスタンドアロンのアプリケーションであるシミュレータを構築します。コアな Firefox OS の開発者による技術的な特徴の検証を支援します。
- ローカライザ向けデスクトップビルド
- ローカライザ向けビルドは、ローカライズチームが Firefox OS と Firefox OS アプリのローカライズをテストするのに役立ちます。
エミュレータ内で B2G を実行する
この方法はシミュレータ (Firefox OS システムの高めのレベルのみを複製しています) と、実際の端末 (全エクスペリエンスを得られます) の中間にあります。シミュレータと比較して、エミュレータ は ARM ベースのシステム (x86 エミュレータは廃止予定) を実行し、これは電話機のエクスペリエンスのほぼすべて(ネットワーク/ラジオのイベントのいくつかを除き)を複製しています。
モバイル端末上で B2G を実行する
B2G や Gaia の開発成果や Web アプリを最も完璧にテストする方法は、実際のモバイル端末にビルドした Firefox OS をインストールすることです。これは最も面倒な作業でもあります。
長所
- 完璧なモバイル端末エクスペリエンスが得られます
- 全ての端末 API が利用できます
- 実際の端末の使用法でコードのパフォーマンスが体験できます
短所
- C/C++ ビルド環境を全てインストールする必要があります
- Gecko と Gaia を自分でビルドする必要があります
- B2G オペレーティングシステムをインストールする、互換性のあるモバイル端末が必要です
- 現在インストールされているオペレーティングシステムがなんであろうと削除して、B2G を端末に書き込む必要があります
モバイル端末で B2G を実行する理由
これは、明らかに、B2G もしくは Gaia 上で、コードや Web プロジェクトのテストをする最も正確なやり方です。実際のモバイルハードウェア上で実行することで、プロジェクトがきちんと実行されるか、きれいに見えるか、全ての端末 API が正しく使用されているかを、確認することができます。付け加えるなら、どんなコードでもリリースする前には、常に実際のハードウェアでテストすべきです。これを行わないと、どんなまずい影響が起こる可能性があるのか予測するのは困難です。