Mozilla は、バージョン 1.0.1 と 1.1 Beta において、「ほぼ標準」モード(準標準モード)と呼ばれる新しいレンダリングモードを実装しました。これは、以前からある「互換」モードと「標準」モードに追加されたものです。
「ほぼ標準」モードは、ひとつの挙動を除けば、他は「標準」モードとまったく同じです。その例外とは、テーブルセル内の画像のレイアウトが Gecko の「互換」モードと同様に扱われ、Internet Explorer など他のブラウザとほとんど同じ表示になるという点です。これは、Mozilla 1.0.1 以降のレンダリングエンジンを搭載した Gecko ベースのブラウザで、「互換」あるいは「ほぼ標準」モードでページを表示した場合、テーブルセル内に配置されたスライス画像のレイアウトが崩れる可能性が少なくなるということです。(「標準」モードでそうしたレイアウトがどのように扱われるかについては『画像、テーブル、不可解なずれ』で詳しく解説されています)
この違いを除けば、「ほぼ標準」と「標準」モードは、レイアウトやその他の挙動についてはまったく同じです。
「ほぼ標準」モードのトリガー
「ほぼ標準」モードのトリガーとなる文書型宣言 (DOCTYPE) は、以下のいずれかです。
- 公開識別子 "
-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN
" - 公開識別子 "
-//W3C//DTD XHTML 1.0 Frameset//EN
" - 公開識別子 "
-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN
" とシステム識別子の組み合わせ - 公開識別子 "
-//W3C//DTD HTML 4.01 Frameset//EN
" とシステム識別子の組み合わせ - IBM のシステム DOCTYPE "
https://www.ibm.com/data/dtd/v11/ibmxhtml1-transitional.dtd
"
完全な DOCTYPE には公開識別子とシステム識別子が含まれています。DOCTYPE の議論では、多くの人々が、DOCTYPE は「URI 付き」か「URI なし」であると主張しています。URI はシステム識別子です。例えば、以下の DOCTYPE について考えた場合、
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN" "https://www.w3.org/TR/html4/loose.dtd">
それぞれの部分はこのように区別できます。
- 公開識別子: "
-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN
" - システム識別子: "
https://www.w3.org/TR/html4/loose.dtd
"
そのため、HTML 4.01 Transitional あるいは Frameset の DOCTYPE は、URI (システム識別子) が付いている場合、「ほぼ標準」モードのトリガーとなります。また、XHTML 1.0 Transitional あるいは Frameset の DOCTYPE は、URI の有無にかかわらずトリガーとなります。IBM 社外の Web 開発者は、同様に「ほぼ標準」モードのトリガーとなる特別な DOCTYPE について気にする必要はありません。
アドバイス
- HTML 4.01 または XHTML 1.0 を用いた正しいマークアップへの移行を検討中で、テーブル内に画像を配置するデザイン概念を持ち続けている開発者は、「ほぼ標準」モードのトリガーとなる DOCTYPE を利用してください。
MDC にある他の文書
原文書の情報
- 著者: Eric A. Meyer, Netscape Communications
- 最終更新日: 2001 年 11 月 08 日 (公開)
- 著作権: Copyright © 2001-2003 Netscape. All rights reserved.
- 注記: この転載記事は元々 Netscape DevEdge で公開されていました。